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種鶏飼育管理マニュアル
Y−1.換気と温度
Y−1.換気
近年の育種改良が進んだ高産肉系統の種鶏には、換気の重要性が増しています。
- 鶏は飼料を食べ、卵や肉を生産する中で体外に熱を、呼気の中に二酸化炭素・水分等を排出します。さらに排泄した糞尿の分解産物であるアンモニアや、ホコリ等により、鶏舎環境が悪化してしまいます。
- このような中で生産性を上げるために、鶏にとってのマイナス部分を取り除き、快適な環境を作り上げる事が換気の目的です。
- 生命の維持
鶏が正常に発育するために必要な酸素(空気)を供給する。 - 環境悪化の修復・改善
有毒ガス(二酸化炭素、アンモニア 等)、鶏の呼気、こぼれ水、鶏糞等からの発生水分を除去する。 - 生産環境の改善
夏期における鶏体からの発熱、水分を舎外に排出する。
- 空気汚染の要因− アンモニアガス
- 空気性状の変化要因
- 化学的変化を与えるもの(空気の汚染要因)
- 呼気として出る二酸化炭素
- 糞尿等の分解で発生するアンモニアガス
- 浮遊粉塵など
- 物理的変化を与えるもの(空気性状の変化要因)
- 熱(鶏より発生する熱、外部からの侵入熱等)
- 水分(給水器よりのコボレ、鶏より発生するもの等)
- 【基準換気量】 ※ 外気温5〜30℃の条件下
- 最新の換気システム紹介
《 ア ン モ ニ ア ガ ス 濃 度 の 影 響 》
※ 人 の 臭 覚
| 空気中の濃度 | 雛に及ぼす影響 |
| 10ppm | 影響なし |
| 20ppm以上 | 呼吸器病発生の原因 |
| 50ppm以上 | 眼疾発生(角膜炎、結膜炎) |
| 75ppm以上 | 発育不良 |
| 5〜 7ppm | アンモニア臭を感じる |
| 25〜30ppm | アンモニアを強く感じる |
| 50〜60ppm | アンモニアに耐えられる限界 |
鶏を取り囲んでいる環境に変化を与えるものを、次のように2つに分けて換気の最低、 最高量を検討します。
注)熱や水分については、季節(夏・冬)などにより考え方が異なります。
| 外気温℃ | 5 | 10 | 15 | 20 | 25 | 30 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 体重1kg当たりの必要換気量(?/分) | 0.030 | 0.045 | 0.060 | 0.080 | 0.110 | 0.130 |
最近は換気設備も改良・改善が図られ、性能も向上しています。 ここでは海外で普及している横引き換気と縦引き換気を併せた換気システムの事例を紹介します。
【海外の鶏舎】 *横引き換気と縦引き換気設備を備えています。
「コンビネーション換気システム鶏舎」
○ 鶏の日令や季節に対応するために、横引き・縦引き換気システムを併せ持った鶏舎で、舎内環境の調整が容易です。
【鶏舎模式図】
エアーキャノン:- ○直径5〜6.5cm、長さ76cmの塩ビパイプ製の入気装置です。鶏舎壁面の高い位置に、屋根の勾配と同じ角度で設置します。
- ○舎内陰圧によって鶏舎外から風速のついた空気を鶏舎上層部に送ります。舎内空気の攪拌、分配に大変効果を発揮します。
- 横引き換気状態(エアーキャノン、側面入気口の使用)
○ 主に育雛期や、冬期に運用されます。
* 側面入気口: 壁面の高い位置に設置された入気口
- 縦引き換気状態(両側面入気口・妻側換気扇の使用)
- 換羽終了後、または春や秋期で運用します。 但し、入気面積と換気扇の稼動台数は、日令及び舎内温度によって調整します。
- 換気量は増加しますが、鶏の位置での風速は低い状態です。
- 縦引き換気状態(クールセル入気口・妻側換気扇の使用)
- 換羽終了後で、主に夏期で運用しますが、必要換気量の増加と鶏体に風を当てて体感温度を下げる際に効果的な運用方法です。
- 酷暑時期(28℃以上)は、クールセルへの散水により入気温度を下げます。
- 風速(育成期1.5m/秒、成鶏期2.0m/秒)をつけて、鶏の体感温度を下げ、暑熱ストレスを軽減します。

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「入気・換気運用方法」
- 横引き換気状態(側面入気口の使用)
- 横引きで換気を行います。 鶏の状態、舎内温度をよく確認することが大切です。
- 鶏舎側面の入気口から入気し、鶏舎壁面の換気扇で排気します(下記参照)。 エアーキャノンの活用は、舎内空気の攪拌に有効です。
- 換気扇は雛の日令や舎内温度を考慮して、タイマーや温度センサー制御で間歇運転させます(例.8分ON−2分OFF)。
- エアーキャノンは夏場換気では使用しないので、フタができるようにしておきます。側面入気口は、換気時に発生する鶏舎内圧によって開口幅(入気量)が調整されます。
- 縦引き換気状態(両側面入気口・妻側換気扇を使用の場合)
- 鶏舎両側面の入気口から入気し、妻側の換気扇で排気します。
- 換気扇は、間歇運転から温度センサー制御を併用させます。
- 入気面積と換気扇台数を調整します。
- 縦引き換気状態(クールセル入気口・妻側換気扇を使用の場合)
- 入気口は鶏舎内の入り口付近(側面)に設けます。入気面積は昇降カーテンによって調節します(下図参照)。
- 換気扇はサーモ制御によって運転させます。* 各換気扇は系統別に運用すると効果的です。
- クールセルシステムを導入する場合、クールセルパッドは入気口から最低60cm離して設置します。
- 入気風速は鶏舎内の均一な空気の流れを得るために非常に重要です。
- 入気風速は、入気時の気圧(静圧)に大きく影響されます。
- 入気の際に必要な風速は、鶏舎両側面の入気口から流入した空気が、入気口間の真ん中で交わるのが目安になります。
【空気の流れ】
メーカーによっては、鶏舎の両側面から入気して屋根の換気筒から排気する方法もあります。この方法は海外では寒冷地において、横幅が広い鶏舎に採用されています。
*換気扇は2〜3段階に温度センサー制御を分けて運用すると効果的です。
【空気の流れ】

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【空気の流れ】

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【入気の流れ】

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「換気の注意点」
大切な入気風速
*鶏舎に隙間が多いと、必要な入気風速が確保できません。
【 入気風速の違いによる舎内空気の状態 】
例1.入気風速が遅い場合
例2.入気風速が適性な場合
例3.入気風速が速すぎる場合
「換気扇の能力について」
実際に換気扇を動かすと抵抗(静圧)が生じ、換気扇能力が低下します。 換気扇能力の改善を図るため、取り付け位置や形状に工夫が必要です。
【 事例1.】 |
【 事例 2.】 |
| ・換気扇能力 560m 3 /分、静圧なし ・シャッターなし |
・換気扇能力560m3/分、静圧なし ・シャッターを舎外に配置 |
![]() ◎換気能力=100%(560m3/分) |
![]() ◎換気能力=80%(448m3/分) |
【 事例 3.】 |
【 事例 4.】 |
| ・換気扇能力 560m 3 /分、静圧なし ・シャッターを舎内に配置 |
・換気扇能力560m3/分、静圧なし ・シャッターを舎内に配置 ・フードの外側に換気扇(傾斜60°) |
![]() ◎換気能力=91%(510m3/分) |
![]() ◎換気能力=100%(560m3/分) |
【 事例5.】 |
【 事例6.】 |
| ・換気扇能力560m3/分、静圧なし ・シャッターを舎内に配置 ・フードの内側に換気扇 |
・換気扇能力560m3/分、静圧なし ・シャッターを舎内に配置 ・フードの内側に換気扇(傾斜60°) |
![]() ◎換気能力=115%(644m3/分) |
![]() ◎換気能力=125%(700m3/分) |
※ 資料提供: .ロバ−ト・バ−ンウェル(換気スペシャリスト) |
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